「広島で軽貨物ドライバーをやってみたい。でも、何から手をつければいいのか分からない」
免許はあるけど車はない。個人事業主って何をするのか分からない。黒ナンバーと開業届、どっちが先? そもそも自分に向いているのか。—— 未経験の方から面談で聞く質問は、だいたいこの辺りに集まります。
この記事では、広島市佐伯区で軽貨物配送を運営している私たち(株式会社エンプロイーズワン)が、未経験から稼働するまでの手順を、実際の順番どおりに書きます。手続き先は広島の実名で、収入は「可能」ではなく所属ドライバーの「平均」で書きます。
先に結論:必要なものは4つ、順番が大事
軽貨物ドライバーを始めるのに必要なものは、次の4つです。
- 普通自動車免許(AT限定で可)
- 軽貨物車(軽バン)— 持ち込みかリース
- 黒ナンバー(事業用ナンバー)— 広島運輸支局で届出
- 開業届 — 管轄の税務署に提出
学歴・経歴・年齢の条件はありません。資格試験もありません。だから「誰でも始められる」のは本当です。ただし、順番を間違えると時間とお金を無駄にします。いちばん多い失敗は「先に車を買ってしまう」ことです。理由はあとで書きます。
全体の流れ(未経験の標準ルート)
- 条件を確認する普通免許があるか、週5日・1日12時間前後の稼働ができるか、個人事業主として売上と経費を自分で管理する覚悟があるか。この3つが揃わないと、始めても続きません。
- 契約する会社を決める車を買う前に、ここを先に。会社によって案件・単価・車両サポートが変わるので、車の選び方も変わります。面談で「平均の数字」を見せてもらい、納得してから次へ。
- 車を用意する持ち込みなら自分の軽バンを黒ナンバー仕様に。車がなければリース(当社は月 4 万円・任意保険込み)。この時点で初期費用の大半が決まります。
- 黒ナンバーを取る広島運輸支局に「貨物軽自動車運送事業経営届出書」を提出し、軽自動車検査協会でナンバーを交付。自分でやれば実費 1〜2 万円程度。
- 開業届を出す「個人事業の開業・廃業等届出書」を管轄の税務署へ。開業から 1 ヶ月以内。提出先は住所の区で決まり、佐伯区は廿日市税務署、安佐南区は広島北税務署。e-Tax でも可。
- 保険と備品を揃えて稼働開始事業用の任意保険(自車の場合 月 15,000 円前後)、台車・端末ホルダーなどの備品を揃えて、初日は同行からスタート。
以下、それぞれの段階で「広島ではどこに行くのか」「いくらかかるのか」「未経験がつまずくところ」を書きます。
1. 条件の確認 — 免許と、稼働できる時間
必要な免許は普通自動車免許だけです。AT限定でも問題ありません。中型や大型は要りません。
免許より大事なのが稼働できる時間です。当社の所属ドライバーの標準的な1日は 8:00 頃にセンターへ出勤し、端末を確認して担当エリアの荷物を仕分けてから配達に出て、20:00 前後に終わります。夜間便が多い日は 22:00 頃までになることもあります。拘束はおよそ 12 時間、週 5 日が基本です。
「自分のペースで働ける」という求人の言葉は半分本当で半分嘘です。休みの取り方や配達の順番は自分で組めますが、荷物の量と時間指定は自分では決められません。この点は 軽貨物ドライバーの1日を公開した記事 に時間割そのままで、「自分のペースでできる仕事」は本当? に決められること・決められないことを分けて書いています。
2. 会社を先に決める — 車を買う前に
未経験の方に一番伝えたいのがここです。車を買う前に、契約する会社を決めてください。
理由は3つあります。
- 案件によって向く車が違う。 宅配中心か、企業配送か、チャーターかで、荷室の使い方も走行距離も変わります。会社が決まらないと、正しい車を選べません。
- 会社によって車両サポートが違う。 リース制度がある会社なら、そもそも買わなくて済みます。先に買ってしまうと、その選択肢が消えます。
- 単価と経費の構造が会社で決まる。 中抜き業者を挟む会社と、元請けと直接契約する会社では、同じ仕事量で手取りが月 10 万円近く変わります。
会社選びで見るべきポイントは 広島で軽貨物の委託会社を選ぶ前に — 7つのチェックポイント にまとめています。面談で何を聞かれ、何を聞くべきかは 業務委託面談ガイド をどうぞ。
- 所属ドライバーの売上の「平均」はいくらか(「可能」ではなく)
- 毎月の経費は何にいくらかかるか
- 元請けと直接契約か、間に業者が入っているか
3. 車を用意する — 持ち込みか、リースか
選択肢は2つです。
自分の軽バンを持ち込む
中古で 30〜100 万円、新車で 120〜250 万円。任意保険(事業用・月 15,000 円前後)は自己負担。
長く続けるなら総額は安くなる。ただし故障・事故時の代車は自分で手配。
リースで始める
当社の場合、月 4 万円で任意保険込み。初期費用はほぼゼロ。
「向いているか分からない」段階では、まずリースで始めて、続けられそうなら購入に切り替える人が多いです。
どちらが得かは稼働年数で変わります。数字で比較したい方は 車を購入?リース? 3年・5年の総額比較 を、初期費用の全体像は 軽貨物の開業資金 完全解説 をご覧ください。
4. 黒ナンバーを取る — 広島運輸支局へ
黒ナンバー(事業用ナンバー)は、軽自動車で運賃をもらって荷物を運ぶために必須です。「運送業許可」は要りません。許可が要るのは普通トラックの一般貨物で、軽貨物は届出だけで始められます(違いは 広島で運送業許可は要る? に整理しています)。広島では次の流れになります。
- 届出先:広島運輸支局に「貨物軽自動車運送事業経営届出書」を提出
- 必要書類:車検証、自賠責保険証明書、自動車税納税証明書、住民票など
- ナンバー交付:届出後、軽自動車検査協会でナンバープレートを交付
- 費用:自分で手続きすれば実費 1〜2 万円程度。代行業者に頼むと 5 万円前後
書類の書き方と当日の流れは 広島で軽自動車の黒ナンバーを取得する方法 に、取得後にやることは 黒ナンバー取得後のチェックリスト にまとめています。
リースで始める場合は、車両が最初から黒ナンバー仕様になっていることが多く、この工程を省けます。当社のリース車両もそうです。
5. 開業届を出す — 広島市内の税務署
軽貨物ドライバーは個人事業主なので、税務署に「個人事業の開業・廃業等届出書」を出します。
- 期限:開業から 1 ヶ月以内(過ぎても罰則はありませんが、早めに)
- 提出先:住所を管轄する税務署。佐伯区は廿日市税務署、安佐南区は広島北税務署(広島市は区ごとに管轄が違います。一覧は下記の開業届の記事に)
- 出し方:窓口に持参、郵送、または e-Tax
- 職業欄:「軽貨物運送業」で通ります
同時に「青色申告承認申請書」を出しておくと、確定申告で控除が使えます。書き方は 開業届の書き方 9 項目、確定申告の全体像は 軽貨物ドライバーの確定申告 完全ガイド をどうぞ。
- 黒ナンバーと開業届を「どっちが先か」で止まる → 黒ナンバーが先。開業日は稼働開始日で構いません
- 「屋号」を決めないと出せないと思っている → 屋号は任意。空欄で出せます
- 青色申告を後回しにして、初年度の控除を逃す → 開業届と同時に出すのが一番楽です
6. 始める前に知っておく数字 — 所属ドライバーの「平均」
ここまでの手続きは、正直、誰でもできます。始めてから「思っていたのと違う」となる原因は手続きではなく、数字を見ずに始めることです。だから当社は、面談の前にこの数字を全部お見せします。
「月収 50 万円可能」と書いてある求人と比べると地味に見えるかもしれません。でも、この数字は今いるドライバーの平均です。経費の内訳は 軽貨物ドライバーの経費 全部リスト に1円単位で書いています。
正直に:向いていない人
手続きが簡単な分、始めてから合わないと分かる人もいます。次に当てはまる方は、始める前にもう一度考えてください。
- 月 20 日以上の稼働が難しい方(案件の紹介がかなり限られます)
- 売上や経費の記録、確定申告を「やりたくない」方(代わりにはできません)
- 「毎月必ず 50 万円」が絶対条件の方(出来高の仕事で「必ず」は約束できません)
- 時間指定や置き配のルールを軽く考えている方
逆に、この 4 つに当てはまらなければ、年齢・経歴・学歴で断ることはまずありません。40 代・50 代の未経験からの転職も、60 代からのスタートも、女性ドライバーも実際に在籍しています。詳しくは 向いてる人・向いてない人 と ドライバーの声 をご覧ください。
広島で始めるなら — 当社の場合の流れ
株式会社エンプロイーズワンは、広島市佐伯区観音台を拠点に、佐伯区・安佐南区を中心に配送しています。朝 8 時頃にセンターに集まり、仕分けをしてから出発するので、この 2 区とその近隣(西区・廿日市市など)にお住まいの方が現実的です。
未経験の方が当社で始める場合の流れは、次のとおりです。
- LINE で「平均の数字」を受け取る — 応募不要。売上・経費・拘束時間の実数値をそのまま送ります
- 1 日体験 — 応募不要・本名不要・顔出し不要。現場を見てから決められます
- 面談(約 1 時間) — スーツも志望動機も要りません。数字のすり合わせと、車・手続きの段取り
- 車の手配と手続き — リースなら黒ナンバー済みの車両を用意。開業届の書き方もサポート
- 稼働開始 — 初日は同行から
体験や面談のあとで「思っていたのと違う」と感じたら、遠慮なく辞退してください。合わないまま始めても、お互いのためになりません。だからこそ、始める前にすべてお見せしています。