「自分のペースでできる仕事」で探していて、軽貨物ドライバーにたどり着いた方へ。
先に答えを書きます。半分本当で、半分違います。
配達の順番、休憩の取り方、休む日、誰と働くか。ここは自分で決められます。一方で、荷物の量、時間指定、朝の出発時刻、1日の長さ。ここは自分では決められません。求人の「自分のペースで」という言葉は前半だけを指していて、後半は書いていないことが多いです。
この記事では、広島市佐伯区で軽貨物配送を運営している私たち(株式会社エンプロイーズワン)が、自分で決められること・決められないことを、所属ドライバーの1日の時間割と平均の数字で分けて書きます。読み終わったときに「自分の求めているペースと合うか」が判断できる状態を目指します。
先に結論:決められること/決められないこと
✓ 自分で決められること
- 配達の順番とルート:担当エリア内の回り方は自分で組む
- 休憩の時間と場所:昼にどこで何分休むかは自由
- 休む日:事前に申請すれば調整できる
- 空き時間の使い方:便と便の合間は自由
- 人間関係:基本は一人。上司も同僚も車内にはいない
- 月にいくら稼ぐか:稼働日数で上下する(範囲あり)
✕ 自分では決められないこと
- 荷物の量:その日の物量は元請けと季節で決まる
- 時間指定:午前・14 時以降・18 時以降はお客様が決める
- 出発時刻:朝 8 時頃にセンターへ
- 1日の長さ:拘束はおよそ 12 時間
- 天候と繁忙期:雨でも配達。12 月は物量が増える
- 途中でやめること:取った仕事は最後まで
以下、それぞれを具体的に書きます。
自分で決められること
1. 配達の順番とルート
朝、担当エリアの荷物を仕分けたあと、どの順番で回るかは自分で組みます。番地順に並べる、大型マンションを午前中に片づける、不在再配達は午後にまとめる。こうした工夫はすべて自分の裁量で、慣れるほど1日の配達個数が増えます。会社員のように「この順番で回れ」と指示されることはありません。
2. 休憩の時間と場所
午前便が終わってセンターに戻ったあと、昼休憩を何分取るか、どこで取るかは自由です。コンビニの駐車場で済ませる人もいれば、家が近いので一度帰る人もいます。業務委託なので、休憩時間は誰かに管理されるものではなく、配達ペースが乱れない範囲で自分で決めます。
3. 休む日
週 5 日稼働が基本ですが、休みは自分から申請して調整します。体調不良や急な用事のときも、当社では真摯に対応しています。ただし「当日の朝に今日は休みます」は、その日の荷物を誰かが代わりに運ぶことになるので、できるだけ前もって伝えてもらう必要があります。
4. 人間関係
配達中は一人です。車内に上司はいませんし、同僚と席を並べることもありません。荷物の受け渡しやお客様との短いやり取りはありますが、職場の人間関係で消耗してきた方にとっては、ここが一番大きな違いになることが多いです。「人と話すのが好き」でも「一人で黙々が好き」でも、どちらでも成り立ちます。
5. 稼働日数と、それに応じた売上
出来高制なので、稼働日数を増やせば売上は上がり、減らせば下がります。週 5 日稼働の所属ドライバーの平均は月の売上 40〜42 万円、週 1〜3 日の稼働だと 5〜30 万円です。「今月は多めに働く」「来月は少し抑える」という調整は、案件の範囲内で可能です。
自分では決められないこと
1. 荷物の量
その日に運ぶ荷物の量は、元請けの物量と季節で決まります。当社の標準的な1日は午前便 約 60 個・午後便 約 30 個・夜間便 約 30 個の合計 約 120 個。12 月のお歳暮と年末は 1.5 倍近くになります。「今日は 50 個だけにしたい」とは言えません。
2. 時間指定
午前中、14 時以降、18〜20 時、19〜21 時。時間指定はお客様が決めるもので、ドライバーが変えることはできません。夜間指定の荷物がある日は、その時間帯まで稼働が続きます。
3. 朝の出発と1日の長さ
センターに集まるのは朝 8 時頃。そこから仕分けをして出発し、3 便を回って 20 時前後に終わります。夜間便が多い日は 22 時頃までかかることもあります。拘束はおよそ 12 時間。「午前中だけ働く」「15 時に終わる」という1日は、この案件の構造上できません。
4. 途中で「今日はここまで」とは言えない
引き受けた日の荷物は、最後まで届けるのが仕事です。疲れたから午後は休む、という選択肢はありません。当社の採用ページでも「自由な働き方」とは書かず、「仕事を取った日は責任を持って完遂してもらう。ただし空き時間は自由に使ってもらって構わない」と書いています。この一文が、軽貨物の「自分のペース」の正確な範囲だと思っています。
嘘とまでは言えませんが、指している範囲が狭いことが多いです。配達順・休憩・休みの裁量を「自由」と呼んでいるなら本当。時間や量まで自由に見えるなら、面談で「1日の拘束は何時間か」「時間指定の荷物は何割か」を聞いてみてください。数字で答えが返ってくるかどうかで、だいたい分かります。
1日で見ると、ペースはこう動く
「自分で決められる時間」と「決められない時間」が1日の中でどう並ぶかを、所属ドライバーの標準的な時間割で示します。
- 08:00 センター出勤・仕分け出勤時刻は決まっています。荷物の量と時間指定をここで確認。
- 09:00〜13:00 午前便(約 60 個)回る順番は自分で決める。時間指定の枠だけは守る。
- 13:00〜14:00 帰庫・昼休憩休憩の場所と長さは自由。午後便の積み直しも自分の段取りで。
- 14:00〜17:30 午後便(約 30 個)14 時以降指定と再配達。ここも順番は自分次第。
- 18:00〜19:15 頃 夜間便(約 30 個)指定時間が集中するので、最も裁量が小さい時間帯。
- 19:30〜20:00 頃 締め・帰宅終わる時刻は夜間便の量で変わる。日によって 22 時頃になることも。
時間帯ごとの詳しい中身と、季節でどう変わるかは 軽貨物ドライバーの 1 日 完全公開 にそのまま書いています。
「自分のペース」を探している理由別に、向く・向かない
同じ「自分のペースでできる仕事」でも、求めているものは人によって違います。理由ごとに、軽貨物ドライバーとの相性を正直に書きます。
| 探している理由 | 相性 | 実態 |
|---|---|---|
| 人に指示されず、黙々と働きたい | ◎ | 配達中は一人。順番も自分で組む |
| 職場の人間関係を減らしたい | ◎ | 上司も同僚も車内にはいない |
| 頑張った分だけ収入に反映してほしい | ○ | 出来高制。ただし平均は月の売上 40〜42 万円で、それ以上は個人差 |
| 休みを自分で調整したい | ○ | 申請すれば可能。当日連絡は避けたい |
| 1日 4〜5 時間だけ働きたい | △ | 案件が1日単位(3 便構成)。副業向けの案件は限られる |
| 子どもの帰宅時間までに終わりたい | ✕ | 夜間便があり、終了は 20 時前後 |
| 疲れた日は途中で切り上げたい | ✕ | 取った日の荷物は最後まで運ぶ |
上の表で ✕ が当てはまる方には、この仕事は合わない可能性が高いです。無理に始めても、お互いのためになりません。△ の「短時間だけ」の方は、広島で軽貨物を副業で始める方法 に、平日夜のみ・週末のみの稼働パターンを書いているので、そちらが参考になります。
始めて 1〜2 ヶ月は、エリアを覚えるのに精一杯で、ペースを組む余裕はあまりありません。3 ヶ月を過ぎたあたりから、配達順の工夫で終了時刻が早まり、「自分で組んでいる」感覚が出てきます。最初から自由を感じられる仕事ではない、という点は知っておいてください。
収入も「可能」ではなく「平均」で書きます
「自分のペースで働ける」求人には「月収 50 万円可能」が並びがちですが、ここでは所属ドライバーの平均を書きます。
車両はリースなら月 4 万円(任意保険込み)、自車を持ち込むなら任意保険が月 1.5 万円前後です。稼働日数を週 1〜3 日に減らすと、売上は 5〜30 万円の幅になります。経費の内訳は 軽貨物ドライバーの経費 全部リスト に、向き不向きの全体像は 軽貨物ドライバーに向いてる人・向いてない人 にまとめています。
広島で始めるなら — 当社の場合
株式会社エンプロイーズワンは、広島市佐伯区観音台を拠点に、佐伯区・安佐南区を中心に配送しています。朝 8 時頃にセンターに集まるので、この 2 区とその近隣(西区・廿日市市など)にお住まいの方が現実的です。
「自分のペース」がどこまで本当かは、文章より現場を見るのが早いです。当社では応募の前に 1 日体験を用意していて、本名も顔出しも要りません。実際の荷物の量、時間指定の割合、休憩の取り方を見てから決められます。分からないことがあれば、面談でも LINE でもお手伝いします。
未経験からの手順(免許・車・黒ナンバー・開業届)は 広島で軽貨物ドライバーになるには に順番どおり書いています。